No.31 ミスの連鎖を「プラスの声」で断ち切る ―― ソフトボール部主将が語る、葛藤と『全員納得』のチーム作り

校長室にやってきたソフトボール部主将の後藤さんと対話しました。本校のソフトボール部は、学年の壁や上下関係を超えて本当に仲が良いのが自慢のチームです。後藤さんは「練習は辛いことも多いけれど、できなかったことができるようになったとき、強いチームに勝てたとき、そして何よりみんなで一つのことを成し遂げたときの達成感の方がはるかに大きいです」と、日焼けした顔に充実した笑顔を浮かべて語ってくれました。

■ 試合以上の厳しさを、日々のグラウンドで

そんな彼女たちが一丸となって目指しているのが、最高峰の舞台である「インターハイ出場」です。しかし、夢の舞台へ進むためには、どうしても乗り越えなければならないチームの課題がありました。それは、「一つのミスが出たときに気持ちの切り替えができず、ミスが続いてしまうこと」です。

この課題を克服するため、現在は練習中から3年生が中心となり、意識的に「プラス思考の声掛け」を増やしています。

「『次、できるよ!』『次はこうしたらいいんじゃない?』といった前続きな言葉を、お互いに掛け合うようにしています。ただ励ますだけでなく、試合で悔しい思いをしないために、こうした技術的な厳しい指摘は、あえて試合以上につらい練習の場で徹底して行うようにしています」厳しい言葉に耳を傾け、悔しさを滲ませながらも、「絶対に乗り越えてやる」という強い気持ちで全員が同じ方向を向いて白球を追っています。

■ 苦手だった「人をまとめること」を越えて

後藤さん自身も、この部活動を通じて劇的な人間的成長を遂げた一人です。元々は「人をまとめることがとにかく苦手だった」という彼女ですが、ソフトボールに出合い、キャプテンという重責を担う中で、今では堂々と人前で自分の考えを話せるようになりました。

チームを率いる上で、部員同士の意見がぶつかることは日常茶飯事です。後藤さんは「みんなの意見を取り入れながら、いい方向に進めたい」と常に考えています。意見が対立した際、最終的には主将として自分が良いと思う決断を下さなければなりませんが、彼女のリーダーシップの真髄はその先にあります。

「自分が決断したとしても、そこに納得しきれなかった仲間の意見をただ切り捨てることはしたくありません。納得しなかった意見の要素もどうにか練習やチーム方針に取り入れながら、全員で一緒に進んでいける方法を常に考えています」

「以前は自分のプレーのことしか考えていませんでしたが、キャプテンになって、周りを見渡す力が本当に付いたと思います」と語る彼女の表情には、一人の人間としての確かな器の大きさが滲んでいました。

最高の仲の良さを武器に、ミスの重圧さえも「次の一歩」へのエネルギーに変えていくソフトボール部。自分自身の壁を破り、仲間のすべての想いを背負ってグラウンドに立つ後藤主将と11人のメンバーたちが、インターハイの切符をその手につかみ取る瞬間を信じています。皆様、ソフトボール部への熱い応援をどうぞよろしくお願いいたします!