No.29 「自分が勝ちたい」を越えて ―― 弓道部が紡ぐ、ライバル心と『福商のため』の絆

凛とした静寂の中、パンと小気味よい音が響く弓道場。練習の合間を縫って、主将の修多羅さんと副主将の内藤さんに話を聞きました。本校の弓道部は男女合同で練習しており、3年生23人、2年生7人、1年生19人の計49人という大変な大所帯です。彼らが一丸となって掲げる目標は、男女揃っての「インターハイ出場」です。

部員は高校から弓道を始めた初心者ばかり。そんなチームが全国を目指す原動力となっているのが、独自の「教え合い」の文化です。「自分が完璧にできていないから教えない、ではなく、自分が知っていることは全て伝えて、対話しながら一緒に的に向かいます」と二人は語ります。

これだけ人数が多いと、「楽しくやりたい人」や「本気で全国を狙いたい人」など、向かう目標やレベルも様々です。修多羅主将は「だからこそ悩むけれど、みんなが不満なく活動できるよう対話を重ねています」と言い、内藤副主将も、部員の体調や様子の変化に細やかに目を配りながら、「試合に出る選手を選ぶ難しさ」というシビアな壁とも向き合っています。

そんな組織を率いる修多羅主将が、最後に対話の中で、とても深い「弓道部への誇り」を語ってくれました。

「大会ではみんな違うレベルですが、部員の中に『誰かが福商のために』という気持ちが自然と芽生えるようになりたいんです。『自分が勝ちたいから』ではなく、一人ひとりが良い結果を出せるよう、ライバル心を持ちながらも全力で応援し合えるチーム。だからこそ、私は『福商の弓道はとてもいい』と感じていますし、こういう温かい雰囲気をいつも作っていきたいと思っています」

的に向かうときは一人きりですが、その背中を支えているのは、仲間と本音で交わす対話と、学校を背負う誇りです。お互いを高め合う49人の絆が、大舞台で見事な矢を命中させてくれることを期待しています。皆様、弓道部への温かい応援をよろしくお願いいたします!